本研究室では、水圏フィールドを中心に「自然」と「人間」が相互に及ぼし合う影響の把握と理解を目的として、超音波や光などによる物理的な計測手法をベースに、自然界の環境情報を効率的、定量的に得るための新しいコンセプトの環境計測技術とその情報処理技術の開発及び、社会への実装を進めている。再生可能エネルギーを利用する発電施設の導入や水産・観光・鉱物資源などの有効利用に付随する開発、地球温暖化などの気候変動に伴う環境の変化は継続した世界共通の課題として認識されており、それらの環境改変が短期的あるいは長期的に自然界・人間界に与える影響が懸念されている。SDGs(Sustainable Development Goals)を掲げるこれからの国際社会において、施策の制定や多様なステークホルダー間で課題を議論する際に、客観的な環境データを充実させることは最も重要なアプローチの一つと考えられ、そのための環境情報計測の重要性は、今後益々高まっていくと感じている。将来に向けて、責任感のある持続的な開発や自然環境の保全・修復などが適正に進められるように、環境情報計測の立場から真摯に取り組んでいく。