専攻長挨拶|環境システム学専攻 東京大学大学院新領域創成科学研究科

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東京大学大学院新領域創成科学研究科
東京大学

専攻長挨拶

環境システム学への誘い

環境システム学専攻 専攻長 松島 潤

「21世紀は環境の世紀」と言われています。地球温暖化の危機、資源の浪費による危機、生態系の危機など、地球環境問題は人類が直面する最大の課題であり、これらの問題が顕在化しつつある今日、人類がこれらの問題にどう対応するかが大きく問われています。環境問題は、時間の積み重ねの結果であり、逆戻りができません。今のあり方が将来の人類の命運を左右するという意味で、今の時代を生きる者の責任は重大であると言えるでしょう。将来の姿をしっかり見据え、そこからバックキャストすることで今のあり方を考えるためには、個別の対象の局所最適化を図るだけでは十分ではなく、まさに環境システムとしての俯瞰的な見地が重要となると考えています。

紛争やパンデミックなど、予測が難しい様々な情勢の変化があることも、問題をさらに複雑化させています。もちろん、その時々で直面する問題や不安を解消することは、その時代を生きる者にとって喫緊かつ重要な課題です。一方で、これらもまた、地球環境の将来に影響する要因となりうるので、環境問題だけを切り出した現代からの単純な外挿だけでは、将来の環境を考える上での十分な議論にはならないと考えています。

本専攻がスローガンとして掲げる「環境の今を学び、環境の未来を拓く」とは、人類が培ってきた科学技術の膨大な知識を最大限に活用し、様々な問題を俯瞰的に捉える姿勢を持ちながら、次の新しい時代を切り拓くことの重要性を謳うメッセージです。そして、その実現に向けて邁進する本専攻の強い意志であると捉えて頂けると幸いです。


2023年度 環境システム学専攻 専攻長
大島 義人


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