エネルギーは、私たちの暮らしや産業活動のあらゆる場面で必要なものである。しかし、現代のエネルギー供給の方法や消費のあり方には、地球環境に与える負荷や資源の持続性など、課題が山積している。私たちの社会を持続させていくためには、低環境負荷で、枯渇生資源に依存しないエネルギー供給・消費のシステムを構築することが、必要不可欠である。そのためには、少ないエネルギーで従来以上の価値・サービスを得るための省エネ技術、再生可能で環境負荷の少ないエネルギー資源への転換、エネルギー使用によって発生した物質を適切に処分し環境影響を抑制する技術の三本柱が重要である。
本研究室では、これらの実現に貢献するため、水理地質モデリングおよび熱多孔質力学モデリングによる地中熱利用システムや地熱発電所の適地探索、地熱をはじめとした種々の再生可能エネルギーを組み合わせた持続可能なエネルギー供給システムのデザイン、モデリングとモニタリングの統合運用により地下の状態をより詳しく把握することによって二酸化炭素地中貯留や放射性廃棄物処分のサイトを監視・管理する技術などを主要な研究テーマとしている。複雑で、ときに直接的な観測が難しい問題に取り組むため、理論、シミュレーション、室内実験、フィールド調査などの様々な手法を組み合わせて研究を行っている。